研究内容

飼育下の動物はどんなことを考えて暮らしているのだろう?

動物が暮らす環境をより良くするためにどんなことができるだろう?

そのような観点から、動物の「こころ」を理解する比較認知科学的研究と、動物の飼育環境に配慮する動物福祉の研究をおこなっています。

これまでに、ニホンザルを対象とした動画呈示実験、ゴリラを対象とした行動観察、アカゲザルを対象としたフィーダー呈示実験などをおこないました。

また、動物園をフィールドに、インコと類人猿を対象に認知科学の知見を生かした飼育展示方法の調査や、類人猿の発達研究などをおこなってきました。

現在は動物園で飼育されるコアラやニホンザルを対象とした研究に加え、伴侶動物や介在動物としてのイヌの視覚認知やストレス応答にかんする研究に取り組んでいます。

IT技術の動物飼育管理への導入にも興味があり、動物の行動観察に使うアプリの開発などもおこなっています。

【これまでの主な研究】

ニホンザル

  • ビデオ呈示を用いた視覚・社会認知と環境エンリッチメントへの応用(京都大学霊長類研究所)

ゴリラ

  • 幼児の発達と新個体導入による社会関係の変化(名古屋市東山動植物園)

アカゲザル

  • フィーダーを使った採食エンリッチメントと加齢の関係(オレゴン国立霊長類研究センター)

大型インコと類人猿

  • 道具使用行動にかんする認知能力と環境エンリッチメントへの応用(名古屋市東山動植物園)

ゴリラとオランウータン

  • 出産と発達にかんする研究(名古屋市東山動植物園)

【現在おこなっている主な研究】

コアラ

  • コアラのユーカリ採食における選好性に影響を与える要因の解明(名古屋市東山動植物園)

ニホンザル

  • 半樹上性生活を再現する環境エンリッチメントの評価(仙台市八木山動物公園)

イヌ

  • 画像を用いた視覚認知能力の解明(北里大学獣医学部)
  • 動物介在活動・療法におけるストレス応答の評価(北里大学獣医学部)

動物の行動観察に使うアプリの開発